E資格認定プログラム事業者インタビュー
認定No.00009 テクノブレーン
現在、JDLAには20社近くの「認定プログラム」が登録されています。各認定プログラム実施事業者が強みや特徴を活かして、人材育成に取り組んでおられます。本シリーズでは、E資格認定プログラム事業者へインタビューし、認定登録された経緯や各プログラムの特徴をご紹介していきます。
認定No.00009は、テクノブレーン。
長年、エンジニア職のキャリアアップ支援を続けてきた経験から、忙しい人でも効率よく学習できる講座を設計しています。また、グループ会社との連携により知識に応じた適切な学習方法も提案しています。現場のリアルを反映したAIエンジニアの育成についてお話を聞きました。
人財事業部 AI・データサイエンティスト領域担当 Ph.D担当
山内 宗和 様
1995年東証一部上場メーカーに入社し、商品開発職に従事。2000年から研究者・技術者に特化したへッドハンティングや大学院生専門の就職支援会社で事業立ち上げを経験し、2018年にテクノブレーン株式会社に入社。ここ10年間はアカデミアに在籍している研究者や民間企業に就業しているPh.D取得者のキャリア支援を行っているが、Ph.D取得者がAI・データサイエンティスト領域で活躍する場面が増えているため、両分野を兼務している。大学内での講演実績も多数。過去合計で約5,000名のキャリア支援実績あり。文部科学省委託事業である「データサイエンティスト育成ネットワークの形成」プロジェクトに参画した経験もあり、2019年までディープラーニング協会の委員としても務めていた。
・2005年CDA(キャリアデベロップメントアドバイザー)資格取得
・2016年キャリアコンサルタント(国家資格)取得
講座の特徴について
(コンテンツ)
テクノブレーンは、エンジニア・研究者のキャリアアップを支援する事業の一環として、E資格取得に向けた事業にも力を入れています。講座の質の向上のために、教材作成と講義の実施は、外部委託先の(株)RUTILEAの協力を得ています。同社は、AIソリューションを提供している企業で、講座担当の社員の方は、京都大学工学部を卒業しています。実際のAIエンジニアの実務経験があり、かつ学術的な知識を備えています。
このため、講義中には実践的なAI開発の現状について、また学習した内容をどのように実務に落とし込むかについても聞くことがでできます。
なお、東京大学大学院情報理工学系研究科の山崎俊彦先生が教材の監修をしていますので、最新の情報もキャッチアップできています。
テクノブレーンの講座で利用している教材は、講義での拘束時間を短くするため、自習用と講義・演習用と2つに分かれています。講義受講までに自習用の教材で予習していただき、講義では演習や実践的な課題を取り入れ、具体的な説明を要する内容に重点をおいて行います。
また、自習をしている時に疑問が出てきた場合でもすぐに問い合わせることができるように、質問はメールで常時受け付けることで、受講生の利便性を高めるように努めています。
(学習方法)
E資格向けの講座は、個人の方の基礎知識に応じて2つの学習方法が選択できるようになっています。1つが、テクノブレーンが提供している講座で、もう1つがグループ会社が運営しているWinスクールの講座です。
テクノブレーンが提供している講座は、数学やPythonの知識があれば、仕事が忙しい方でもE資格の取得にチャレンジできるように設計した講座となっています。オンラインでの対面講義形式で、平日の夜間に3時間の講座を開講しています。専用のオンライン対面講座用のツールを活用し、、プレゼン資料に書き込みをしたり、ポインターでマークしたりと、教室での授業と同じような感覚で受講ができます。
もう1つは、グループ会社が運営しているWINスクールでの講座です。こちらでは、受講開始時の数学やPythonの知識は必須とせず、基礎知識からじっくり学習することができるようになっています。主にeラーニング(オンラインレッスン)による講座で、カリキュラムごとの時間も1日6時間とたっぷりとっています。土日での開催となりますが、その分しっかり基礎から受講することが可能です。基礎知識が0に近い状態からディープラーニングを学習し、E資格試験を受験されたい方には、こちらの方法をお勧めしています。
(学習時間)
E資格試験を合格するまでに学習する時間は、人により異なります。それは、数学や機械学習の理論など基礎知識をどのくらいお持ちなのかによっても変わってくるからですテクノブレーンの講座のカリキュラムは、5日間×3時間の講座とそれ以外の自習時間を週に4,5時間程度とっていただくことを想定して設計しています。
講座後に復習していただいた際、理解が不十分だと感じた時には、週末に公開している講座の振り返り動画を見ながら、再度学びなおしていただくことが可能です。このサイクルを5週間繰り返すことで「合格」できるように教材や講座は作られています。このように自分の空き時間を活用する方法を取り入れることで、時間的拘束が最小限で済むようにしているわけです。

グループ会社のWINスクールと連携していることで受講生にはどのようなメリットがありますか。
WINスクールと連携することで、受講生のタイプに応じた適切な講座を提供できるようになりました。数学などの基礎知識がある人にとって、基礎から学ぶようなカリキュラム構成では、少し物足りないかもしれません。一方、応用的な内容ばかりでも基礎知識が少ないとついていくのが難しくなります。せっかく、忙しい中時間とお金を割いて学習するわけですから、受講される方の期待に応じた講座を選んでいただけることが最大のメリットです。
また、中には講座が進む過程で難しくなってきて、もう一度基礎からやり直したいという方が出てくる場合があります。こうした場合は、WINスクールが実施している基礎的な講座に移っていただくことが可能です。その際には特別料金にで受講していただくことができるので、金銭的な負担を最小限に抑えています。このように臨機応変にグループ間で連携することで受講生のニーズに応える努力を続けています。
今後は、WINスクールとの連携を強化してさらに受講生にとって利便性の高いものにしていく予定です。
受講生にはどのような方がいますか。
受講生の多くはSIerや製造業の現場で働くエンジニアの方が多いです。年代では20代から40代と幅広いです。学生も含まれていますが、若いエンジニアというよりは中堅のマネージャークラスが多いと思います。
受講希望者には、テクノブレーンの講座を受講いただく前に、なるべく「無料体験セミナー」を受講していただくようにしています。その後、キャリア面談も実施しています。この2つは、E資格試験への期待や現状の知識などを理解をすり合わせる機会であり、期待ギャップがうまれないよう大事にしているプロセスです。
現状では、個人向けの受講をメインとしているので、法人の研修はこれから進めていく予定です。比較的安価であるため、個人のキャリアアップや仕事の質を上げるための受講・受験を検討する方が多い傾向にあります。
貴社の強みを教えてください。
テクノブレーンは、エンジニア職や研究者のキャリア構築支援を進めていく中で、様々な現場のリアルな声を聞いてきました。世の中にある企業の中には、AIシステムの導入は重要と考えているものの、人材育成にまで手が回らないというところもあります。そうした企業で働くエンジニアの中には、このままではいけないと危機感を持っている方もいらっしゃいます。そのような方のキャリア構築の支援を行いたいとの思いで、弊社の講座はスタートしています。
テクノブレーンの強みは、機械学習の分野で活躍している1人1人のエンジニアの声をしっかり受け止めて、客観的な視点でE資格試験向けの講座を設計しているところだと思います。多くのエンジニアは個人の意思で受講をしようと決断しているので、会社からの支援は特になく、学習時間も費用も個人持ち出しとなっています。こうした事情をヒアリングしているので、金額と拘束時間の負担を極力減らしながら、効率的に学習できるようにしています。
また、グループ会社と連携することで、エンジニアが抱える制約の中で最大限チャレンジできるような講座の提供とキャリア支援を総合的にサポートできるところも強みだと自負しています。
JDLAに参加した経緯は何ですか。
近年、現場のエンジニア職の声で多く上がっているのが、今の仕事では経験する機会がないが将来のためにAIスキルを身に着けたいという声でした。社会の変化に伴い、個人のキャリアアップを実現していくことは、社会に必要とされるエンジニアであり続ける最も重要な要素です。そういった方々のキャリアップ支援の一環としてE資格は客観的な目標になるため、認定プログラム事業者として参加することにしました。
E資格向けの講座だけでビジネスを完結させるのではなく、あくまでもキャリア支援として、必要としている方にE資格試験向けの講座をおすすめしています。もちろん転職が前提ではありません。転職が必要でない人にもキャリアアップの支援を行うこともあります。
なお、E資格向けの講座内容は、グループ社員のAI教育の基礎教材としても活用しています。
最後にメッセージを!
機械学習は、製造業をはじめ、さまざまな現場で当たり前の道具として活用され始めています。一方で全てのエンジニアが機械学習の技術を駆使してシステムを構築できるわけではありません。しっかり勉強したいけれど、家族との時間、多忙な仕事や会社の方針などに阻まれている人も多くいるでしょう。しかし、できない理由を挙げていたては前には進めません。AIエンジニアリングにはキャリアップの大きな可能性があります。阻害要因をクリアしながら、ぜひチャレンジをしてほしい思っています!
テクノブレーンの講座はこちら。