ディープラーニング活用事例

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・ディープラーニングを活用した「体外受精治療成功率」向上に向けた取り組み。
・Virtus Health(生殖補助サービスの世界的なプロバイダー)にて採用済み。
・“どの胚候補を移植すれば成功率が高くなるか”という評価支援の用途で活用。
・1万以上のヒトの胚から得られたデータセットを使い、ディープラーニングモデルへのトレーニングを実施。
・“どの胚が心拍を持つように発育するのか”を93%の精度で予測(注)。医師間での 評価の不一致を減らすことにより、胚の選択を標準化できるようになることを目指す。
(注)参照:https://academic.oup.com/humrep/article/34/6/1011/5491340

出典:「G検定公式テキスト第2版」読者WEB特典(翔泳社・2021年)より
・世界有数のMRI 保有国である日本では(注)、比較的安価にMRI 検査を受診できることから「脳ドック」が普及しており、「未破裂脳動脈瘤」が発見されるケースが増加している。
(注)OECD(経済協力開発機構)による2017 年の調査では、日本における人口100 万人あたりのMRI保有数は51.7 台。G7 の平均25.8 台、OECD関連国の平均15.2 台を大きく上回る。
・「脳動脈瘤」は破裂することで「くも膜下出血」の要因となる。
・MRIなどのモダリティの進化とともに画像情報が膨大化することで、読影診断を担う放射線科医/脳神経外科医の作業量は増え、医療現場では「医師の働き方改革」の推進が急務となっている。
・医師の負担軽減を目指し、脳MRI画像を、ディープラーニングを活用した技術によって解析することにより、脳動脈瘤の疑いがある部分を検出する医用画像解析ソフトウェアを提供開始。
・本ソフトウェアは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」に基づき、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)による審査を経て管理医療機器としての承認を取得※。
※ディープラーニングを活用した脳MRI 分野のプログラム医療機器として、日本国内で初めての
薬事承認例。
・脳MRI 画像より2mm 以上の嚢状動脈瘤に類似した候補点を検出しマークを表示することで、医師による読影をサポート。
・国際的な医用画像規格「DICOM」に準拠。既存の医用画像管理システム(PACS) やモダリティと接続可能。

出典:「G検定公式テキスト第2版」(翔泳社・2021年)より
・ラベルなしデータ学習により影を検出。具体的には以下のとおり。
 1. 元画像に(専門家の知見に基づいてランダムに作成した)人工影を合成したものを入力画像とする。
 2. 影のみを含んだ画像(影のみ画像)とそれ以外の構造物のみを含んだ画像
 (構造物のみ画像)に一旦分離した後に、それらを合成することで入力画像を再構成する自己符号化器(Autoencoder)」を構成する。
 3. 人工影を合成した入力画像と再構成画像との誤差と、人工影と分離した影のみ画像との人工影が存在する領域での誤差が、同時に小さくなるように学習させる。
・学習後に影を検出する際には、入力画像を超音波検査画像とし、影のみ画像を検出結果とする。影のみ画像の画素値の合計の比較などにより、影あり/ 影なしを自動的に判定。
・本技術を、昭和大学病院産婦人科での通常の妊婦健診において取得した胎児心臓の超音波検査動画に適用して評価。
・動画93 本(約16 分)から作成した画像37,378 枚を学習用データとして学習。
・7 本(約1 分)から抜き出して臨床医が影の部分をラベル付けした画像52 枚
(評価用データ)を使用して、影画像の検知精度(IoU とDICE)を評価。
・伝統的な画像処理手法(単純な2 値化)、および従来型のディープラーニング手法(SegNet)と比較して、IoU,DICE ともに、提案手法が最も高いことが確認された。
・「検出した影が胎児心臓の異常検知に悪影響を及ぼす可能性を見いだす」ことで「検査者に対して再走査の指示を出し、誤った判断を防ぐ」ことが可能に。

出典:「G検定公式テキスト第2版」(翔泳社・2021年)より
・アルツハイマー病は高齢者における認知症の最大の原因といわれる進行性の脳疾 患。記憶や思考能力に徐々に障害が現れ、最終的には日常的な簡単な作業もでき なくなるといわれている。
・カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)放射線医学画像診断学科の研究 者たちは、脳のスキャン画像を用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN) のトレーニングを行い、アルツハイマー病の早期診断に成功。平均で6年早く正 確に予測することが可能。
・アルツハイマー病の診断にAIを用いる試みは他でも行われているが、該当チーム ではこれまで学習に用いられてこなかったバイオマーカーに着目。アルツハイ マー病研究を進めているアルツハイマー病神経のデータセットに含まれる、1,000 名の患者から得られた2,000例のFDG-PET画像(注)を使用。
(注)FDG-PET:FDG(放射性グルコース化合物)を血流内に投与して体組織に取り込ませ、FDG がどれぐらい取り込まれているかに応じて組織の代謝活動を測定できるというイメージング 技術。これを使用すると、アルツハイマー病の脳に起こる代謝のわずかな変化を捉えること が可能。
・データセットの90%でCNNをトレーニングし、残り10%でテストを行った結果、 アルゴリズムはアルツハイマー病に対応する代謝パターンを学習した。
・この学習を経て、患者40名における2006年から2016年の間のスキャンデータを 検査した結果、アルゴリズムは精度98%でアルツハイマー病を見つけることに成 功。さらに「アルツハイマー病ではない」という診断も82%の精度で下せたとの こと。
・今回の研究の対象は小規模なものであり、さらなる研究が必要であるものの、今 後の更なる発展が期待される。
出典:「G検定公式テキスト第2版」読者WEB特典(翔泳社・2021年)より
・(多くの期間と費用を要することが多い)「リード化合物の探索と最適化」の支援を目的とした取り組み。
・ディープラーニングを用いた学習モデル「Graph Convolutional Network(GCN)(注)」をベースとして以下を開発。
(注)化合物に代表されるような「つながりと関係性」を学習し、情報抽出する技術のこと。

1. 化合物とタンパク質の相互作用予測モデル
→化合物の構造からタンパク質への活性を学習し、予測することが可能に
(「創薬候補化合物」のスクリーニング効率化に寄与)。
→ DeepChem(注)と同等の精度をベンチマークテストにて記録。
(注)既存の創薬のためのPython ライブラリ(スタンフォード大学の研究者らが開発)。
2. 化合物デザインを支援する、化合物構造の可視化
→従来のディープラーニング技術では、化合物のタンパク質への活性予測理由を提示することが困難。
→当モデルを用いることで「化合物中の活性発現に効果的な部分/効果的ではない部分」を見える化することが可能に。
3. 新しい化合物を提案する化合物生成モデル
→既存の化合物から「創薬に適した化合物」を、多様かつ大量に提案することが可能に。
→従来、研究者が自身の経験に基づき実施していた化合物デザインの提案プロセスを代替/効率化。

上記事例は、LINC(Life Intelligence Consortium)※における活動の一貫として開発されたものです。

※ LINC:創薬AI を開発している産学連携プロジェクト。国内を中心に 129 の製薬やライフサイエンス、IT 関連企業、研究組織から 622 人の研究者らが参加し、2020 年 9 月までの 3 カ年プロジェクトとして取り組まれてきたもの。2021 年 4 月より組織を法人化した上で、引き続き各種活動を実施していくことが発表されている。

出典:「G検定公式テキスト第2版」(翔泳社・2021年)より
・畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を活用し、内視鏡画像から胃がんを検出。
・6mm 以上の胃がんを熟練の内視鏡医レベルに匹敵する精度で発見。
・1 画像の診断にかかる時間は約0.02 秒であり、人間の解析速度を遥かに凌駕。
・本事例発表時においてAI を活用した胃がん内視鏡診断支援システムの報告はなく、本報告は世界初とのこと。
・2019 年11 月、米国食品医薬品局(FDA)よりブレイクスルーデバイス指定(注)(画期的医療機器/ デバイス指定)を受ける。
(注)米国内での医療機器承認取得の際、優先的に審査を受けることが可能に。

出典:「G検定公式テキスト第2版」(翔泳社・2021年)より
・進行がん(特に子宮がん及び乳がん)の病巣では、がん組織が壊死したり、病巣 部分に細菌が感染したりすることにより強い病臭を呈することがある。
・病臭成分を分析し、当該成分に最適な消臭方法を選択することにより、個々の患 者ケアに活かしていくことを目指す取り組み。
・がん病巣から放たれるニオイ成分の特徴や微弱な変化をディープラーニングを用 いて学習し、臭気(注)判定を実現。
(注)なお、本項では、疾病(原疾患、感染症、褥瘡等)により直接および間接的に体内や体表か ら生じる臭気を病臭と定義。
・ニオイ検知センサとしては、PID センサ (PhotoIonization Detector)と半導体ガ スセンサを使用。
・100 種近くの VOC(揮発性有機化合物)ガスを分離・識別。
出典:「G検定公式テキスト第2版」読者WEB特典(翔泳社・2021年)より
・「眼底画像を用いた網膜剥離判定」領域でディープラーニングを活用。
・網膜の広角画像のみから(失明に直結する疾患である)網膜剥離眼と正常眼とを 判別。
・診断見落としを防ぐ二重チェックシステムへの応用や、眼科医療過疎地に対する 遠隔診療への応用、健診による早期発見などへの応用を想定。

出典:「G検定公式テキスト第2版」読者WEB特典(翔泳社・2021年)より

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