E資格認定プログラム事業者インタビュー
認定No.00014 Fusion One
現在、JDLAには20社近くの「認定プログラム」が登録されています。各認定プログラム実施事業者が強みや特徴を活かして、人材育成に取り組んでおられます。本シリーズでは、E資格認定プログラム事業者へインタビューし、認定登録された経緯や各プログラムの特徴をご紹介していきます。
認定No.00014は、Fusion One。
神田AIラーニングセンターとして10年以上の教育事業の歴史があり、経験豊富。ディープラーニングの講座にはどのような特徴があるのか、新たに始めるeラーニングのメリットとは何か、お話を聞きました。
株式会社FusionOne 代表取締役
崔 光護 様
早稲田大学大学院 理工学修士課程卒業
アメリカ・シリコンバレーにあるベンチャー企業に入社後、プログラマー・システムエンジニアとして従事。その後、再来日、日本ではいくつかのプロジェクトにてシステムエンジニアとして参画。現在は、IT分野の人材育成事業に携わる。
認定プログラムの講座の特徴を教えてください。
(コンテンツ)
神田AIラーニングセンターは、従来よりプログラミングを中心とした講座を多数有しており、ITスクールとしての長い経験があります。これまでの、エンジニア育成スクールの経験を活かして、E資格の認定プログラムであるディープラーニング講座を設置しています。
コンテンツは、大学の教授と共同開発しており、ディープラーニングの理論を深く学べるよう正確性を担保しています。そして、受講生が身に着けた知識を活用していけるよう、演習問題も数多く用意しています。演習問題は、システム上で採点されフィードバックを得ることができます。間違えた場合は何度も解くことができ、知識の定着が進むようになっています。
ディープラーニング講座を担当する講師は、自らE資格の試験を受験し合格しています。受験経験を積むことで、資格取得に向けた「独自のノウハウ」を受講生に提供しています。なお、今後はさらに実践的な講義ができるよう、AIエンジニアリングの実務経験がある講師と連携することも検討しています。
(学習方法)
コロナ禍以前は、対面での講義がほとんどでしたが、現在はオンラインでの講義に切り替えました。現状では、ディープラーニング講座もオンライン。決められたスケジュールに基づき講義を行っていますが、今後はeラーニングに全面移行します。eラーニングになることで、時間の制約がなくなり、さらに受講しやすくなります。
eラーニングの講義内容は、予習動画、復習動画に分かれています。復習動画は、これまで対面で行っていた講義と同内容となっており、レクチャー形式。この復習動画の理解をカバーするために、予習動画があります。予習動画で自己学習し、復習動画でレクチャーを受けるーーこうすることで知識が定着していきます。
なお、受講生は、自社のLMS(ラーニングマネジメントシステム)にログインし学習するため、管理者は進捗を客観的に把握できます。
学習時の質問は、常時メールで受け付けており、回答も、24時間以内にはお返しできるようにしています。また、これまで受け付けた質問を一覧化しており、受講生の間のみで共有しています。すべての過去の質疑応答が記載されているので、質問しなくとも、すぐに類似する回答を見つけることができます。
(学習時間)
学習時間ですが、3か月で資格が取得できることを想定して講座を設計しています。対面やオンライン講義の場合、2週に1度の開催で、講座は1回で4,5時間が必要でした。なお、多くの受講生は、この受講時間に加えて、1週間に10時間程度、自己学習をしているようです。
今後は、eラーニングに移行しますが、資格試験までに必要な学習時間に大きな変化はないと思っています。eラーニングでの教材は、予習動画、復習動画がそれぞれ約30~40時間です。
なお、eラーニングでは、講座ごとに与えられた「課題」を突破しないと、次の講座に進めないようになっています。人によっては想定よりも時間がかかったりする場合もあるかもしれません。しかし、逆に自分のペースで専念して早く進めることもできるので、仕事をしながら取得を目指すには良いかもしれません。
(その他)
受講生のサポートとして、無料で「PC貸与」を行っています。プライベートと学習を切り替えたい、仕事用のPCしか持っていないなど、状況に応じたニーズに対応できるようにしています。“ディープラーニングを学びたい”という思いに応えるために、PCなどの必要なツールは無料で提供するなど、学びやすくなる環境を整えています。
受講生にはどのような人が多いですか。
ディープラーニング講座は、初学者でも受講することが可能です。たしかに、ディープラーニングやAIは、ほかのプログラミング言語を学ぶのとは違って、数学などの基礎知識が必要です。しかし、E資格を取得したいものの、基礎知識が足りないと感じている方には、無料でPythonなどのフォロー講座やAI入門セミナーを提供しています。特に、AI入門セミナーは、1日7時間で超初心者であってもAIの基礎知識を取得できる内容。時間がない初学者の方が効率的に学べるようになっています。
これまで、プログラミングスクールとして法人向けの研修を得意としてきており、受講生の多くはSIer企業などのエンジニアです。どの企業も、AI人材を獲得したいと思いつつも、集めるのに苦労しており、社内で育成する傾向があり、当社のようなスクールへ依頼していただいている状況です。
また、卒業生やE資格を取得したエンジニアの多くは、画像認識のプロジェクトに配置されたり、新たなAIプロジェクトを始める会社にキャリアアップしたり、資格を活かしているようです。
今後は、eラーニングも導入していくので、個人での受講を増やしていきたいと思っています。
強みはどのようなところでしょうか。
当社には、10年以上の教育事業での実績があります。特に、法人向けの研修を得意としており、これまで、プログラミング言語を中心に中小企業から大企業まで幅広く「エンジニア」の育成を手がけてきました。そして、これまでの実績を通じて「教える」プロフェッショナルとして熟練した講師がいます。このように、多くの企業の研修をしてきた経験や教育機関としての質の高さは他にはない強みだと思っています。今後は、ディープラーニング講座を中心に法人・個人向けの講座どちらも強化していきたいと思っています。
ほかの強みとしては、「価格」があると思います。現在、ディープラーニング講座は、オンラインでの対面講座を前提としていたので価格が少し割高ですが、eラーニング移行後は、10万円程度に抑える予定です。こうすることで、個人での受講がしやすくなると思います。
当社は、ディープラーニング講座以外にも数多くの講座があるので、全体での収益バランスを取ることが可能です。新しい知識を得る機会に「価格」が障害になってほしくはありません。講座の価格は低くても、AIエンジニアが育成できれば、その付加価値は高いと思います。
JDLAに参加した経緯を教えてください。
SIer企業を中心に研修を実施する中で、AIエンジニア獲得のニーズの高さを感じました。特に、中小企業では人材の獲得が難しく、育成も進まないという課題を持っている場合がありました。たしかに、現場ではAI 技術を利用するまでの緊急性はあまり高くないのですが、人材の育成は、将来のために必要と考えている企業が多い印象です。
こうしたニーズを受けて、ディープラーニング講座を設けました。なお、今ではAIエンジニア育成にそこまで関心が高くない企業へアプローチするなどして、育成の重要性を広めています。
また、当社は個人向けの人材紹介(エンジニア)事業もあります。やはり、人材紹介のマーケットにおいても、AIエンジニアへのニーズの高まりを感じています。個人向けには、AIの「資格」があるとわかりやすく、キャリアアップにも有利なため、資格取得に向けた講座を提供することにしました。
最後にメッセージをお願いします。
現状では、AI技術に対する認識は広がりつつありますが、一方で、まだまだどのようにAIを活用すればよいのか、具体的なニーズの顕在化は過渡期。しかし、間違いなくAI技術は、ビジネスに必要なものになります。 一人一人が、このチャンスを活かし、ディープラーニングの技術を身に着けておいてほしいですね。そうすることで、いつでも「AI業界」にはいることができます。
神田AIラーニングセンターでは、ディープラーニング講座をさらに使いやすくしていきます。そして、長年、教育専門機関として様々な受講生を見てきた経験がありますので、教育の質には自信があります。また、中小企業を含む企業向けの研修実績も豊富なので、事情を把握したコンテンツを提供できると思います。
資格は武器になる。将来のキャリアアップへの近道になるのではないかと思います。ぜひ、一緒にチャレンジしていきましょう。
Fusion Oneの講座はこちら。