深層学習を研究した証にもなる「E資格」!学生のうちの取得がおすすめ。

中部大学は、学校法人として2018年からE資格の認定プログラムを実施しており、毎年多くの学生がE資格の認定試験を受験しています。学生さんにとって、民間資格ではありますが、JDLAのE資格は就活でのアピールポイントになる場合もあるようです。

今回は、中部大学大学院での在籍中にE資格を取得し、現在はセコムIS研究所にてご活躍されている白木克俊さんに合格までの道のりやその後についてお話をうかがいました。

E資格合格者プロフィール
 白木克俊さん
 セコムIS研究所ビジョンインテリジェンスディビジョン アクション・レコグニショングループ 研究員

(目次)
E試験受験が講座学習の延長線上に。就職に向けて資格取得の選択肢が増加。
試験対策はゼミ生同士の補講を積極的に実施。試験前までに準備万端に。
E資格を保持したことで自信につながる!幅広い知識を獲得できている。
最後にメッセージをお願いいたします!

E資格受験が講座学習の延長線上に。就職に向けて資格取得の選択肢が増加。

中部大学は、以前から深層学習(DL)の研究には力を入れていらっしゃるようですが、ご自身がAIの領域を研究されたいと思ったきっかけはありますか。

白木:私が工学部の学生だった2017年ごろは、今(2023年現在)ほどAI領域に関する認知度が広がっていたわけではありませんでした。深層学習との出会いはまったくの偶然。たまたま、研究室への配属のために、山下先生の研究室の見学に行った際、自動運転のデモンストレーションを見たことがきっかけで、興味を持つようになりました。そのまま、山下先生の研究室に所属することができ、深層学習に関する修士を目指すことにしました。

当時、工学部といえば情報処理の学習のほうが優位で「深層学習」は、少しマイナーな領域でした。私自身も、一般的な知識として深層学習を学部の時代に学んだ程度で、山下先生の研究室に所属するまではそこまで知識はありませんでした。

本格的に深層学習を学ばれたのは大学院からということですが、E資格を受験されようと思ったのはなぜでしょうか。

白木:中部大学では、工学部の大学院の授業(山下先生・藤吉先生)が認定プログラムになっているのですが、山下先生より、対象の講義を受けた人は「E資格」を受験することができると、言われたのがきっかけで、受験を決意しました。それまでは、E資格に関する情報に接することは正直なかったです。先生に言われて初めて知りました。

たしかに、当時できたばかりで知名度があまり高くない資格ではありましたが、授業の延長線上で資格取得ができるのは「ラッキー」だと感じました。特に、就職活動を翌年に控えていた時期でもあり、他に資格らしい資格を保持していなかったので、少しでも有利になればと思いました。

なお、研究室に所属する学生の多くがE資格を受験していました。それだけ、関心が高い資格だったと振り返って感じています。

実際にE資格を受験してみて、いかがでしたでしょうか。問題が難しいなどありましたか。

E資格試験日の当日は、それまでに認定プログラム対象となる講座で、丁寧な説明を受けていたことや自己学習など、十分に準備してたことが功を奏して落ち着いて臨むことができたと思います。

当時は、最近ほど資格試験に関する情報がありませんでした。ただ、同級生同士で輪講するなど、試験対策を自分たちなりに進めてきていました。さらに、E資格の受験料は学生にとっては決して気軽な価格ではなかったので、「一回で受かりたい」気持ちも強かったですね。

試験対策はゼミ生同士の補講を積極的に実施。試験前までに準備万端に。

– 試験対策として学生同士の「輪講」をされていたようですが、実際にはどのように進めていたのでしょうか。

輪講はあくまで補助的なもので、山下先生の授業での丁寧な指導がありました。当時から、山下先生や藤吉先生は、深層学習の研究者としては学生からの信頼が高く、ゼミの人気が高かったほどです。そのほかに、試験対策としては、先生からの推薦された書籍を読み込んだり、学生同士で輪講をしたり、短期的に集中して行いました。

輪講は、認定プログラムのシラバスの項目を受験するゼミ生’(7,8人)それぞれに振り分けて、自分が得意な分野を発表し、意見交換しながら学ぶ形式で行いました。具体的には、先生からの推薦図書から、割り振られた箇所に関する想定問題をつくり、互いに問題を出し合うという形式です。得意不得意があっても、その場で議論して内容を深めることができるので、個々の理解が促進されたと思います。

試験対策をかなり丁寧にされていたようですが、他の講座や講義もある中、時間的な工面はどのようにしたのでしょうか。

白木:個人的なことで言えば、私は修士課程1年(M1)に試験を受けたので、論文作成もひと段落している時期であり、割と時間的には余裕がありました。一方、修士課程2年(M2)の場合、論文発表もあるので、大変苦労している様子でしたね。

実は、私たちが受験できることを知らされたのは、試験の数か月前でしたので、突貫で準備して輪講も毎日のようにローテーションして行っていましたね。ただ、こうした準備ができたのも、M1で時間的な余裕があったからでしょう。

E資格を保持したことで自信につながる!幅広い知識を獲得できている。

– E資格に見事合格され、現在ではセコムIS研究所にて画像処理のご研究をされていますが、就職活動で資格を持っていることに何かメリットを感じていますか。

就職活動の際、企業のE資格の認知度はあまり高くありませんでしたが、「何の資格」なのかという話題になりました。内容を理解してもらえると、知識だけでなく実践的な技術(コーディングができるなど)も説明できるので、即戦力としてのアピールポイントになったと思います。

他のIT系の資格は、ほとんどが「知識」をアピールするものが多い中、E資格は深層学習の研究した実績をアピールできるので、「研究職」を目指す人には有益になりそうです。

– 現在の業務は、行動認識を主にご研究されているとのことですが、実務でE資格を意識されることはありますか。

資格そのものが業務に直結する場面はそこまでありませんが、研究への気持ちやモチベーションといったところでE資格が支えになっています。学生時代、深層学習の研究はどうしても個別的に狭い領域になってしまいます。しかし、業務となると自分の得意領域を超える必要があります。

もし、学生の延長で自分の専攻した分野だけの知識しか持ち合わせていないと、新しい領域を研究する業務になったときに、少し不安になることもあるでしょう。しかし、E資格に向けて広く基礎的な学習をしていたので、業務で新しい領域を研究するとなっても、大丈夫という自信になりました。E資格を持っているということは、深層学習において「視野」が広がっているので、新しいアイディアがでやすい状況になっていると思います。

– E資格を取得後、社会人になってからも継続的に学習を継続されていますか。

研究職なので日々深層学習について最新情報などに触れる機会がありますが、それ以外にも、JDLAの合格者コミュニティ(CDLE)を活用していることがあります。。最近では、生成AIのモーション生成に関して興味をもっています。AIや深層学習の領域は変化が著しいので、資格を取得後も自己学習は継続していくことが重要ですね。

最後にメッセージをお願いいたします!

深層学習の領域は日々進化し続けています。最近もChatGPTなど生成AIが話題となり、新しい領域が生まれ続けています。AI領域において活躍できる人材となるには、新しい技術を学ぶと同時に、深層学習を幅広く理解しておくことも重要だと思います。

E資格は深層学習の基礎を固めるには最適な試験です。ただ、場合によっては取得に時間がかかる可能性もあるので、ぜひ学生のうちに取得を目指すとよいかもしれません。きっと、学生にとって就職活動やその後の仕事において「武器」になるはず!

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