JDLA イベント情報

「エンジニアリングシンポジウム2020」イベントレポート(後編・パネルディスカッション)
『AI社会実装~大企業×テックベンチャーの共創による日本のビジネス未来~』

2020 年 10 月 16 日、教育会館一ツ橋ホールで開催された一般社団法人エンジニアリング協会主催の『エンジニアリングシンポジウム 2020』にて、『AI社会実装~大企業×テックベンチャーの共創による日本のビジネス未来~』をテーマに、東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター技術経営戦略学教授で一般社団法人日本ディープラーニング協会理事長の松尾豊の講演と、パネルディスカッションが行われました。

今回は、後編としてパネルディスカッションの模様をレポートします。

モデレーターには、株式会社経営共創基盤 共同経営者 マネージングディレクターの川上登福氏、 パネリストには、株式会社イクシスの山崎文敬代表取締役と、AnyTech 株式会社の島本佳紀取締役会長、株式会社三菱ケミカルホールディングス執行役員 CDOの浦本直彦氏と、松尾豊理事長も加わり、大企業とテックベンチャーそれぞれの立場での現場の苦労や開発秘話、成功の秘訣から、ディープラーニングの技術を業界エコシステムに根付かせる重要性、日本の産業の将来まで、熱い議論が交わされました。

川上 )本日は、テーマのように、「変革大企業✖テックベンチャー」について、共創がどういうところ にあるのかを議論していきたい。表題になるということは、うまく行っていないからだろうかと。成功の裏には、90%の失敗やロボットの残骸があると思うが、スタートアップ側の視点で、企業と一緒にやって困ることはあるか?

株式会社経営共創基盤 共同経営者 マネージングディレクター 川上登福氏

山崎 )20 年間やってきているが 90%以上はゴミ箱行き。残念ながらロボットで現場を改善するのはうまく行っているとは言えない。原因は、つい新しい技術に夢を抱いてしまい、それを仕様に盛り込んでしまうことにある。どんどん難しい問題、この問題もあの問題も解けるようにと、お客様も我々もすごいロボットを作ろうと頑張ってしまうけれど、なんでもできる自動ロボットを作ってしまうと環境が 変わった途端に動かなくなってしまう。ロボットが 95%の確率で動いても、残りの 5%の時にどうするのか?結局人がやるのであれば、ロボットは現場では使えないと言われてしまう。つい夢をみて100 点を狙ってしまうからこそ、うまくいかなかった時には現場で活用できない、というのが苦い経験になっている。

株式会社イクシス 山崎文敬代表取締役

島本 )3-4年前にディープラーニングビジネスが立ち上がり始めた当時は、 企業からは AI 開発を我々に丸投げに近い状態で依頼いただくことが多かった。我々がまとめた提案そのままだと社内の慣習に合わず企画が通らなかったり、その一方で企業の担当者がご自身ですべて提案を作成する場合はAIの課題やリスクが盛り込まれず結局稟議が通らないことが多かった。ここ2-3年は、その経験から、企業側が我々をうまく巻き込んで一緒に提案書を作るとうまくいくようになっている。


川上 )大企業も、内部にDX推進室とかオープンイノベーション室などを作りいろいろなスタートアップを探してくれという依頼があるが、なかなか動かないという肌感がある。今回の山崎さん、島本さんのようにうまくいっている 2 社に対して、大企業サイドの浦本さんはどう感じるか?また、DX化が加速しない原因についてどう思うか?

浦本 )技術はスタートアップから提供いただければよいが、大企業は人と風土が一番変わらない。いかにして現場、製造部門であれば設備技術生産技術など後ろにいる実際に課題を持っている方 に、DX ってこうやって使うと良くなるよ、と分かってもらえると加速できる。そこにスタートアップがうまく入ってくれるといい。技術だけでなく課題を理解しどういう価値を生むのかを府に落としていくことが重要と思っている。DX を自分ごとにして、担当者も少しやってみて成果がでて自分たちの業務 がこんなにうまく回ると実感すると、あれもこれもやりたいとなるのだろう。

株式会社三菱ケミカルホールディングス執行役員 CDO 浦本直彦氏 東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センタ ー技術経営戦略学教授で一般社団法人日本ディープラーニング協会 

<CDLEメンバー主催イベント>

CDLE×NES
「AI NIGHT SPECIAL EDITION」 

開催日: 2020年10月19日
講 師:JDLA正会員  AnyTech株式会社 創業者/取締役会長  島本佳紀氏
主 催:CDLEメンバー 為安さん  NECソリューションイノベータ北海道支社

10月19日に、CDLEの初期からのメンバーである為安さん(NECソリューションイノベータ北海道支社)の発案で社内勉強会『AI NIGHT SPECIAL EDITION』が開催されました。このイベントは5月に行われた第1回CDLE勉強会からヒントを得て、社員に対してAIの啓蒙をする目的で、社内でのAI勉強会とCDLEのタイアップという形で企画し、実現しました。

講師にはJDLA正会員社のAnyTech島本会長が招かれ、モデレータはCDLEメンバーの為安さんが担当し、参加者はNECソリューションイノベータ 北海道支社の社員のほか、本社、他支社、関連会社やお客様など、幅広く120名ほどが集まり、ZOOMによるオンライン形式の講演となりました。

◆オープニング◆

イベントオープニングでは、為安さんより「AI事業を一から立ち上げた島本会長の話を聞く事で、「『自分は』今何ができるのか?『自分は』何をするべきなのか?を考え、自分ごと化して学ぶ時間にしていただきたい」との話がありました。

◆島本会長講演◆

AnyTech島本会長の講演では、約50分に渡り「ディープラーニングビジネスで日本の未来を担う イントレプレナー・アントレプレナーの皆様へ 」と題して、日本の産業の置かれた状況から、日本がディープラーニングをビジネスに活かすヒントや、事例、展望についてお話頂きました。

島本会長による講演の様子

その後の質疑応答では、
Q:事業化のスピード感は具体的にどのくらいか?
Q:新規事業を生み出すためにバイアスを取り除く必要があるがその方法は?
といった、事業家の生の声を聞き出すための質問が出るなど、島本会長と参加者の間で意見交換をしながら理解を深めました。

◆総評◆

最後は、佐々木NECソリューションイノベータ北海道支社長より総評として、「我々が意識しなければならことを多く盛り込んでくれた。背中を押していただいた。AI技術を使った様々なビジネスを推進しようと考えている同志だと考えているので、今後も色々な形で情報交換して行きたい」と締めくくられました。

CDLE 為安さん

◆為安さんの感想◆

社内のイベント調整には時間がかかることが多いのですが、私が普段から行っているJDLA殿との活動を関係者にご理解いただいていたお陰もあり、素早く企画が実現できました。
島本会長も仰っていたように、ディープラーニングは社会を変える100年に一度の技術です。IT技術をリードする企業の一員として、またCDLEメンバーとして、AIによる社会貢献を進めていきたいと考えています。



※今回は、初めての<CDLEメンバーの企画イベント>をレポートしました。CDLE(Community of Deep Learning Evangelists)メンバーが文字通りにエバンジェリストとなり、自社での勉強会にJDLA正会員社を招き、ディープラーニングについて学ぶ機会を作っていく。
JDLAはこのようなCDLEメンバーの活動を応援します。CDLEメンバーの皆様からのイベントレポートもお待ちしております。
レポートはPR(pr@jdla.org)までお送りください。折り返しご連絡致します。

(参考)
島本佳紀 AnyTech株式会社 創業者 兼 取締役会長
https://twitter.com/yoshiki71
https://www.anytech.io/

NECソリューシ

【12/16松尾理事長登壇】Online Business Salon 45min.

主催: 日経BP 総合研究所
会場:オンライン配信
日時: 2020年12月2日(水)、12月9日(水)、12月16日(水)、12月23日(水)※全4回 
   17:30~18:15(予定)
受講料: 【4day視聴券】:4,950円(税込み)
     【1day視聴券】:1,980円(税込み)
登壇:

◆ 12月16日(水) 松尾 豊 氏(JDLA理事長、 東京大学大学院教授 )
  『AIの巨人が見据える 
    ディープラーニングで産業はここまで変わる、既に始まっている未来』

GPT-3の登場で自然言語処理は新たな段階へ入り、産業や社会をいかに変えていくのか。技術のポテンシャルだけでなく、資本力との関係性も解き明かす。2030年に向けて、AI活用で伸びしろが大きな職種、業種はどこなのか。果たして「ディープラーニング 2.0」という概念はあるのだろうか。ナビゲーターが問いかけていく。

  ◆12月2日(水) 楢﨑 浩一 氏 ( SOMPOホールディングス グループCDO 執行役常務/Palantir Technologies Japan 代表取締役CEO )
  ◆12月9日(水) 山口 周 氏 独立研究者 )
  ◆12月23日(水) 尾原 和啓 氏 (フューチャリスト )

詳細・申し込み:https://project.nikkeibp.co.jp/mirai/salon45/#outline


< Online Business Salon 45min. 講演概要>

毎年この時期、翌年を見通す企画が盛りだくさん。今年は、新型コロナの影響で、より長期的な見通しへのニーズが高まっている。そこで本サロンでは、2030年ごろを見通しながら「確実に訪れる未来」を整理し、そこを起点に現在なすべきことを紹介していく。テクノロジーは未来を具体的にどう変えていくのか。我が国の誇る「4人の知」に参集いただいた。登場順に楢﨑浩一氏、山口周氏、松尾豊氏、尾原和啓氏の4人である。
歴史ある業界でDXを進めるSOMPOホールディングスの楢﨑浩一氏。自動運転時代の安心・安全サービスやヘルスケア領域の未来予測を展望する。米著名投資家、ピーター・ティール氏との秘話を明かしつつ、「すでに始まっている未来」を語り尽くす。
物質的な満足度が飽和した社会では、個々人の衝動が経済を動かすと語る独立研究者の山口周氏。ありたい姿を描けば、そこに課題と価値が見える。例えばイケアの「ThisAbles」プロジェクトも示唆的な事例の一つ。共感が新しい価値を生む中、認識できない会社は社員から搾取される時代が到来するとも指摘する。
GPT-3の登場で自然言語処理は新たな段階へ入り、産業や社会をどう変えていくのかを語る、
AIの“巨人”松尾豊氏。2030年に向けAI活用で伸びしろが大きな職種、業種はどこなのか。「ディープラーニング 2.0」という概念は果たしてあるのだろうか。
DeepTechとアフターデジタルの世界が衝突すると、どんな未来が見えてくるのかを見せてくれる、フューチャリストの尾原和啓氏。中国保険最大手の平安保険と塩野義製薬がつくる合弁会社が意味するもの。その向こうに起こる未来を見せてくれる。テクノロジーベースの未来予測に詳しい河瀬誠氏がナビゲートする。5分野16テーマの未来予測で2030年を具体的に展望する。



【後援】HONGO AI 2020 最終選考会・表彰式(ライブ配信)※事前登録受付

主催: HONGO AI 事務局
    ・㈱経営共創基盤
    ・㈱ディープコア
    ・Deep30投資事業有限責任組合
    ・㈱東京大学エッジキャピタルパートナーズ
    ・東京大学協創プラットフォーム開発㈱
    ・ANRI㈱
共催: 日本経済新聞社
後援(※予定含む):
    ・経済産業省
    ・文京区
    ・人工知能学会
    ・東京大学産学共創推進本部
    ・日本ベンチャーキャピタル協会
    ・日本ディープラーニング協会
    ・AIデータ活用コンソーシアム
    ・Deep Learning Lab
会場: 日経チャンネル ライブ配信 (https://channel.nikkei.co.jp/) ※要事前登録
日時: 2020年12月4日(金)15:00~19:30
視聴料:無料
概要:「HONGO AI 2020 Award」スタートアップを対象に、最終選考委員が、本選会場でのピッチ(質疑応答あり)を見て選考。
    1社が「HONGO AI 2020 Best Award」を獲得。協賛企業が企業賞を贈呈します。
詳細・申込:https://eventregist.com/e/hongo_ai2020f

※【登壇11/19】HONGO AI 2020 プレイベントはこちらをご覧ください。
https://www.jdla.org/events/2020110501/



~Where the future begins~

HONGO AIは、巷に溢れるスタートアップイベントとは趣を異にするものです。
例えば、社会の本質的課題に挑戦する技術系ベンチャーが主役であること。
例えば、東京大学を中心とした本郷という人工知能(AI)および関連技術の研究・開発の中心地をコアにもつこと。
人工知能(AI)、とりわけ深層学習を中心とした昨今の発展がめざましい技術は、あらゆる産業構造を変える可能性があります。
こうした産業構造の変革に寄与する破壊的イノベーションの担い手として大学を中心とした知的コミュニティから生まれるスタートアップは非常に重要であると信じています。
世界にはシリコンバレーを筆頭として、深センや北京、イスラエル、ロンドン、ベルリン、ストックホルムといった 様々な特徴をもったベンチャーエコシステムがあります。
HONGOがそれらと並ぶ世界のブランドとなるためには、 他を追随するのではなく、自らのユニークな個性を磨き続けることが大切です。
HONGO AIの進化(深化)を通じて、世界に唯一無二のエコシステムをつくる。それは日本だけではなく世界の未来を作っていく発端になる場所だと信じています。
「HONGO AI 2020」、アーリーステージの優良なAIスタートアップに光を当てることを目的に、ピッチ・コンテストの最終選考会および授賞式を12月4日(金)15:00~19:30、日経チャンネル(https://channel.nikkei.co.jp/)からライブ配信します。

「エンジニアリングシンポジウム2020」 イベントレポート(前編・松尾理事長講演)
『AI社会実装~大企業×テックベンチャーの共創による日本のビジネス未来~』

2020年10月16日(金)、教育会館一ツ橋ホールにて開催された一般社団法人エンジニアリング協会主催の『エンジニアリングシンポジウム2020』にて、東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター技術経営戦略学教授で一般社団法人日本ディープラーニング協会の松尾豊理事長が講演しました。

『AI社会実装~大企業×テックベンチャーの共創による日本のビジネス未来~』をテーマにディープラーニングの革新的技術が日本の産業を変えつつあること、さらに日本の競争力を強化するためにはテックベンチャーと大企業の単なる共同開発でなく発展的に協業していく「共創」が求められていること、その為には日本の産業を支える全ての人がどの立場においてもAIに対する認識を刷新し日本のモノつくりの技術とディープラーニングを武器に常に変化し続けることが重要だと語りました。
さらに後半には同テーマでのパネルディスカッションも行われ、大企業とテックベンチャーそれぞれの立場での現場の苦労や開発秘話、成功の秘訣から、ディープラーニングの技術を業界エコシステムに根付かせる重要性、日本の産業の将来まで、熱い議論が交わされました。

この模様を、2部に分けてレポートします。

~松尾理事長 講演レポート~

◆AIの先にある、急激な進化を遂げる「ディープラーニング」とは何なのか。

最近は日本全体でDXが注目され、同時に「AI」という言葉が独り歩きしてしまっていますが、まず「AI」と言うのはプログラムの事だという認識を持つことが重要です。つまり、ソフトウェアの技術だけでも効率化・自動処理は可能ということです。その上で、データを集めて、データを扱うことで、人間の「判断」「最適化」の部分がカバーされるのです。ただし、2000年代から世界で注目を集めながらも、残念ながら日本社会ではほとんど使われておらず遅れをとってしまいました。

現在の段階はさらに進み、既にディープラーニングが画像認識や言語処理の部分で急激に進行しています。日本がこれから世界に競争力を示すには、この3つ、プログラム、データ、ディープラーニングを上手く使っていくことが重要です。


◆<ディープラーニング×ハードの技術>でこそ、日本は有利な戦い方ができる。

ディープラーニングは既に、様々な形で産業界に影響を与えています(別途事例参照)。画像認識では、高速に読み取る技術が一般的になり活用され始めました。私の研究室の学生ベンチャーでも、画像認識をしながら穴を掘る作業を自動化し効率を上げる重機の自動操縦や、部屋に散らかったものを画像認識しながら片付けるロボットなどが進行しています。

このディープラーニングの「目の技術」と日本が強いハードウェアの領域を組み合わせ様々なものを自動化することが、日本に有利な戦略です。人手不足といった問題も自動化によって解消し、競争力に変えていけるはずです。

なかでも特に日本に有利となるのは、日本が得意とする高度なハードウェアの技術。米中をはじめとする海外スタートアップ勢は、現状では自動運転、医療画像、画像診断といったハードウェア自体を作り替える必要のない比較的シンプルな領域に強い。日本は、強みであるハードウェアの技術力とディープラーニングをかけ合わせれば強さを発揮していけるのではないでしょうか。例えばインフラ等の領域で戦い方があるでしょう。



2020年10月17日(土) に、CDLE HACKATHON 2020の表彰式が開催されました。表彰結果と受賞作品について、当日の様子を交えレポートいたします。

CDLE HACKATHONはG検定 / E資格合格者 (CDLEメンバー) のみが参加できるハッカソンイベントです。両資格保有者のスキルアップ機会と実践の場、企業とのコミュニケーションの場などの創出を目的に開催され、今年は第2回となります。

昨今のコロナ禍の状況を鑑みて2020年度は完全オンラインイベントとして開催。アイデア部門・予測性能部門の2部門制でアイデアと技術力を競いました。

 A : アイデア部門 課題:「DLを活用したNEO e-learning」
 B : 予測性能部門 課題:「画像データに基づく気象予測」

当日の表彰ではそれぞれの部門で優秀・最優秀賞を発表したほか、アイデア部門からは企業賞の発表を行いました。

アイデア部門表彰
課題:「ディープラーニングを活用したNEO e-learning」

昨今コロナ禍でストップしてしまっている、さまざまなシーンの教育についてディープラーニングを用いたE-ラーニングのアイデアを幅広く募集しました。

ひと口に教育と言っても、<社内教育・学校教育・リカレント教育>など様々な教育があるなかで、本コンテストではどんな分野に関するアイデアでも応募可能としています。

合計で95作品の応募があり、そのうち10作品が一次審査を通過。最優秀賞・優秀賞に選ばれたのは下記の2作品でした。

最優秀賞: 髙木 幸雄 様 『オンライン学習支援AI』

最優秀賞に輝いたのは、オンライン学習や授業の進行支援を行うシステムのアイデアです。

具体的にはディープラーニングを用いた音声認識や画像認識技術を活用して、生徒側の集中度合いを認識したり、先生の説明に合わせて説明中の内容を画面上でハイライトして集中を助けるといった機能を提供します。

現在コロナの影響で、長期に渡ってオンライン授業・学習を継続せざるを得ない状況です。

そんな中で髙木様は、現場の教育者たちが「非対面で生徒の表情や視線を感じられず困っている」という状況に注目したそうです。

たとえば対面授業で教えているとき、教師側は生徒たちの表情や反応をみて「ここは分からないのかな?」「集中が途切れているかな?」などの状況を判断します。しかしオンライン授業ではそうした判断ができず、「自分の説明がどれぐらい生徒に届いているか」「理解度がどれぐらいなのか」が分からないのです。

これは裏返せば生徒の方も、理解度・集中度が低い時に対面なら受け取れるフォローがなくなるので、先生の説明に付いていくのが難しくなるという難点があるということです。

こうした状況をふまえ「非対面でデータが取れるからこそ、上手くデータを活用できないか?」と考えたのが着想のきっかけであったそうです。双方向のデータを読み取り活用すれば、教える側と教わる側のそれぞれがフィードバックを得て・活かすことで授業の改善まで目指せます。

今後オンライン授業が広がり継続される見込みがある中で、ディープラーニングを「学生たちや学ぶ方々の学びを止めない」ために役立てれば社会的にも非常に大きなメリットがあると評価され、最優秀賞の受賞となりました。

優秀賞 チーム名: BLACK RABBITS 『知の聖堂』

『知の聖堂』は、画像認識や音声認識を利用し、世界遺産や美術作品についてデジタル空間で学習できるというアイデア作品。「世界遺産や美術作品を見に、現地に行きたくても行けない」という今の世の中にぴったりのアイデアとして評価を受けました。

プレゼンの動画も非常にクオリティが高く素晴らしかったのも評価に繋がりました。アイデアの実現性をしっかりとアピールしたうえで、プロダクトを使って学習したいと思わせるプレゼンテーションでした。「アイデアを凄くスケールさせるような方に思い切り振ったアイデアで、評価されたことを嬉しく思います。」と受賞のコメントを語りました。

企業賞

ファーウェイ賞

ファーウェイ賞では、以下3つの観点で評価し表彰アイデアを決定しました。

1)新規性:日本/中国などで未だ行われていないサービス、

【登壇】CHUGAI DIGITAL DAYヘルスケア×デジタルの2030未来予想

主 催:中外製薬株式会社
会 場:ZOOMウェビナー開催
日 時:11月27日(金)11:00~17:30
参加料:無料( 要Web事前申込・定員1000名・先着順)
お申し込み: https://www12.webcas.net/form/pub/chugaidd/application_form
登 壇:
 ・松尾豊( 東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター/技術経営戦略学専攻 教授 、JDLA理事長)
  15:30~16:10『人工知能エコシステムが変える社会』
詳細: https://digital.chugai-pharm.co.jp
   ※全講演は、プログラムをご参照ください。

◆CHUGAI DIGITAL DAY HPより

感染症、がん、高齢化社会など私たちが直面する社会課題に対し、医療・ヘルスケア産業におけるデジタル活用の重要性が増しています。「CHUGAI DIGITAL DAY ヘルスケア×デジタルの2030未来予想」は、ヘルスケア課題の解決に必要な方向性やイノベーションのヒントを提供するイベントです。アカデミア、ヘルスケアベンチャー 、製薬企業のトップランナーが「ヘルスケア×デジタル」をテーマに2030年という10年後の近い未来を見据え、乗り越えるべき壁や、望ましいビジョンを語ります。

【後援・登壇】HONGO AI 2020 プレイベント「AIスタートアップ・エコシステム構築と企業の役割」

主 催: 日本経済新聞社
会 場: オンライン(視聴申込者にURLを送付)
日 時:11月19日 14:00~16:40
参加料:無料
登 壇:
  ・ 木嵜基博 (MI-6 株式会社 代表取締役社長)
  ・ 石渡祥之佑 ( Mantra株式会社 CEO)
  ・ 杉山俊幸 ( 日経BP 総合研究所 主席研究員 )
  ・ 岡田隆太朗( 一般社団法人日本ディープラーニング協会 理事/事務局長 )
  ・ 田中和哉 (HONGO AI事務局)
詳 細:https://eventregist.com/e/hongo_ai2020?lang=ja_JP

※HONGO AI 2020 最終選考会・表彰式はこちらをご覧ください。
 https://www.jdla.org/events/2020111201/


次世代のAIスタートアップ企業を発掘するコンテスト「HONGO AI 2020」

12月4日(金)のBEST AWARD最終選考会に向けて、11月19日(木)にプレイベント(オンラインフォーラム・ライブ配信)「AIスタートアップ・エコシステム構築と企業の役割」を開催します。
当日は、HONGO2019のアワード受賞スタートアップ、2020協賛社などが登壇。HONGO AI 2020本選の見どころや日本のAIスタートアップ・エコシステム構築に向けた課題などを様々なステークホルダーの視点から発信します。

~About HONGO AI~

「HONGO AI」は、AIスタートアップと本郷近辺の活性化を目指し、特にアーリーステージの優良なAIスタートアップに光を当てることを目的に2019年に結成しました。2019年に、AIスタートアップ企業を表彰するコンテストの最終選考会および授賞式「HONGO AI 2019」を東京大学 伊藤謝恩ホール(東京都文京区)で開催し、多くの継続希望の声からコミュニティ活性化とコンテスト・イベントのさらなる発展を目指しております。

【登壇】次世代ヘルスケアプロジェクト2020 講演情報 主催:一般社団法人日本能率協会 協賛:公益財団法人日本健康スポーツ連盟 後援:経済産業省 会場:東京ビッグサイト西展示棟 登壇:https://jma-kkp.com/seminar-2020/ ◆特別講演『予防ヘルスケア×テクノロジーの未来とwithコロナ時代に考えるべき「健康経営」の課題』 南野 充則(株式会社FiNC Technologies 代表取締役CEO、JDLA理事) 11月12日(木)12:00~12:50 ◆ソリューションセミナー『ヘルスケア領域におけるDL応用とJDLAの取り組み(仮)』 岡田 陽介(JDLA理事、株式会社ABEJA 代表取締役社長CEO) 11月13日(金)12:00~12:40 ※要事前登録:https://jma-kkp.com/visitors/

10/14(水)日経クロストレンド EXPO 2020にて

DCON2019・DCON2020に出場した高専生4名が、第2回ディープラーニングビジネス活用アワードの記念セミナーに登壇。同じくディープラーニング活用の事業案を競う大会であるDCON本選で観客を驚かせた事業の着想のきっかけや、それぞれのディープラーニング活用方法を語りました。

ディープラーニングで新たな事業を生み出した取り組みや、産業・社会的なインパクトの大きな取り組みを表彰するディープラーニング活用アワード。その表彰式・記念セミナーにて、DCONの出場者が講演を行いました。

DCON出場者が語る「事業の着想のきっかけと、ディープラーニング活用方法」

ソドー氏
(長岡高等工業専門学校所属・DCON2019最優秀賞・株式会社integrAIを起業)
インテグライではモノのデータ化にフォーカスして取り組んでおり、例えば工場でのアナログメーターを自動で読み取って記録・管理できるシステムなどを提供しています。
長岡高専のプレラボ制度で、地元の色々な課題を自分たちで見て回りました。その中で金属業や食品業の工場を見る機会がありました。工場では、常に温度や湿度を表示するメーターを監視・記録していますが、これを自動化したいという課題があることがわかりました。
はじめは1つのカメラで1つのメーターを読み取るシステムからはじまり、ディープラーニングを使うことによって人が手を加えなくても目的を達成できるシームレスなシステムに発展させていきました。

武智氏
(香川高等専門学校・DCON2019ファイナリスト・株式会社三豊AI開発を起業)
三豊AI開発では、ロボットとAIを組み合わせ効率的なインフラ点検を提供しています。
学校の研究室で共同研究として、送電線上を走行して外観映像を撮影する点検ロボットの開発に携わっていました。従来ロボットで撮影した映像は人の目ですべて確認されていたのですが、ディープラーニングの技術が組み合わさればより効率的に点検作業ができ、コストの削減や作業員が大幅に軽減できると考え、取り組みがスタートしました。
点検作業のように単調で時間の掛かる作業は必然的に「ヒューマンエラー=人間の確認ミス」が多く出てきますが、ディープラーニング技術を活用すればそれらを極限まで減らすことができます。インフラ点検の分野において、ディープラーニングは非常に重要だと考えています。

板橋氏(東京高等工業専門学校・DCON2020最優秀賞)
私たちが開発に取り組んでいるのは視覚障害者向けの自動翻訳システムです。このシステムでは、普段読んでいるような一般的な書類の写真を撮影すると視覚障がい者の方が読めるように点字に翻訳し、画面や点字プリンターへ出力します。翻訳から出力をすべてを全自動で行い、音声ガイドによって視覚障がい者の方でも独力で利用できるものとなっています。
きっかけは学校の研究で関わりのあった視覚障害者の方ご本人から、元となるようなアイデアを頂いたことです。初めに開発したのはディープラーニングを用いていないシンプルなものででした。その後ディープラーニングを使い、ビジネスモデルも整理することで「社会的に大きな意味があるものになるんじゃないか」と思えるものにしていきました。
ディープラーニングは、視覚障がい者の方が読みやすい点字の文章にするために活用しています。書類に含まれる図表などの複雑な内容の点訳や、ただ翻訳するだけでは長すぎる点訳(点字に翻訳した)文章を要約しています。ただ点字に翻訳するだけではなく、読みやすくする必要性を開発の途中で感じ、ディープラーニングを活用することになりました。

釜谷氏(鳥羽高等工業専門学校・DCON2020ファイナリスト)
鳥羽専門学校 江崎ラボは三密を避けて旅行するための観光案内サービス「鳥羽海鮮丼きっぷ」でDCON2020に出場しました。
「鳥羽海鮮丼きっぷ」は各観光地だったり店舗に顔認証や通行量測定用の機材を設置することで、専用アプリからリアルタイムで観光スポットの混雑状況を把握できます。年代・性別の傾向から最適な観光スポットを導きだして、アプリ利用者に最適な経路を提案するものになります。
この事業案は元々は鳥羽市の観光統計が正確ではないということから始まりました。顔認証を用いて正確な観光客数を把握したり、観光客がどういった移動・巡回ルートで観光しているのか?を可視化できれば役立つのでは?というところから、事

受賞企業のプロジェクト担当者がディープラーニング活用の効果や成功要因を語りました。

日本ディープラーニング協会(以下JDLA)が後援する、第2回ディープラーニングビジネス活用アワードの表彰が、10/14(水)日経クロストレンド EXPO 2020にて行われました。大賞は日立造船が「AI超音波探傷検査システム」で受賞。優秀賞はナビタイムジャパン・ヤフー・電通・ニューラルポケットの5社が、特別賞は日本気象協会とユーザーローカルが受賞しました。

昨今多くの企業が取り組むDX推進。その要となるのが人工知能(AI)、とりわけ精度の向上が著しいディープラーニングの活用です。本アワードでは、実際にディープラーニングで新たな事業を生み出した取り組みや、産業・社会的なインパクトの大きな取り組みを企業から募集。特に優れた事例を表彰しました。

表彰では審査員による受賞事例の講評が行われたほか、記念セミナー・パネルディスカッションを通じて受賞企業の担当者がディープラーニング活用に至るまでの道のりを語りました。

大賞は日立造船 AI超音波探傷検査システム

「AI超音波探傷検査システム」は、プラントや発電所などに使われる熱交換器の損傷を検査するためのシステム。

従来は超音波検査結果の画像データを検査員が目視で判断するため、気の遠くなるような作業が必要でした。そこで画像データの解析にディープラーニングを活用して高い精度での自動化を実現。解析時間とコストの低減に成功しました。加えて開発した検査システムを、競合も含む他社の品質検査に提供する取り組みも開始。プラント設備のメンテナンスという分野で売り上げが増加しました。

大賞として評価されたポイントとしては、日本が得意とするものづくりの領域で、元々持つ高い技術力にディープラーニングを組み合わせ成果を出した点と、他検査などへの応用の可能性の2点。講演ではディープラーニング活用の成功要因として「溶接超音波/人工知能技術者を社内で確保できたことで、必要な人材が集まり、高頻度のコミュニケーションが取れたことが大きかった」と語りました。

優秀賞・特別賞

【モビリティ部門賞】ナビタイムジャパンの「ディープラーニング活用の『ドライブレコーダーNAVITIME』アプリ」
ドライブレコーダーで撮影した画像をディープラーニングで分析し、前方車両の接近を検知する機能を実現。ドライブレコーダーという既存のシステムを使い、現時点でできるソリューションを実用化した点、ビジネスとしてのスケール性が評価されました。

【メディア部門賞】ヤフーの「不適切なコメント投稿を検知するAI開発」
Yahoo!ニュースのコメント欄に書き込まれる不適切な内容を、ディープラーニングを活用し自動的に削除します。自然言語処理の中でも最新モデルである「BERT(バート)」というモデルを応用し、従来の機械学習より3倍弱検知数が高まりました。

【食部門賞】電通の「TUNA SCOPE」
尾の断面を見てその良し悪しを判断する「まぐろの目利き」を、ディープラーニングの画像認識で代替しました。目利き職人の後継者不足などの課題解決に貢献し、大手回転ずしチェーンや中国の市場で導入されている実績が評価されました。

【ファッション部門賞】ニューラルポケットの「ファッショントレンド分析AI AI-MD」
SNSやショッピングサイトなど、オンライン上の情報や画像データをディープラーニングを組み合わせて分析。半年後のファッショントレンドを分析することにより、ファッション業界で課題となっている廃棄を抑制し、利益率の向上に対しても実績を上げました。

【インフラ部門賞】イクシスの「社会・産業インフラの生産性向上プロジェクト」
橋梁などのインフラやビルのコンクリートの損傷点検などに、ロボットとディープラーニングを組み合わせて活用。点検用画像をロボットで撮影し、解析にディープラーニングを用いるシステムで点検業務に掛かる作業を効率化しました。生産性を2倍にできた実績や、複合的な技術を組み合わせた点も評価されました。

このほか特別賞には、スーパーコンピューターを使わずに雨量予測の精度を高めた、日本気象協会の「JWA-AI予測」と、オンライン試験でのカンニング防止に使うユーザーローカルの「オンライン試験の不正抑止AI」が選ばれました。

「技術が事業に使われること」が
10月のJDLAが後援、出展、理事登壇予定のイベントをお知らせいたします。 なお、イベント最新情報はFacebook(https://www.facebook.com/jdla123/)でも随時お知らせしてまいります。 【後援】<DevSecOps Days Tokyo>  主催:DevSecOps Days Tokyoコミュニティ 後援:一般財団法人エンジニアリング協会 他 日時:2020年10月5日(月)・6日(火) 詳細:https://devsecops-days-tokyo.com/?fbclid=IwAR1_JiS_0vZLMU0TrQ1UeTye9Bnoa5C59J4gr-P4kPSqQUsEDI_V8_SKOcs 【登壇】「AI・DXセミナー」キックオフ 主催: 公益財団法人九州先端科学技術研究所、公益財団法人福岡県産業・科学技術振興財団 共催: 福岡市、福岡県 後援:九州経済産業局(予定)、国立研究開発法人産業技術総合研究研究所 日時: 2020年10月13日(火)16:00~18:45 場所: ZOOMウェビナー 登壇: ・「AIについて経営者が知っておきたいこと」西山圭太(東京大学未来ビジョン研究センター客員教授、JDLA特別顧問) ・「AI・ディープラーニング最前線」岡田隆太郎(JDLA理事 兼 事務局長) 他 参加:無料・事前登録制 詳細:https://www.isit.or.jp/ai_edu_seminars/?fbclid=IwAR0PnE8JtZwDEvbsWVbEQ8tOpyF-fw3epVUNrJld_wzdbUCJK-VeBseza5c 【後援/登壇】「第二回ディープラーニング ビジネス活用アワード」セミナー 主催:日経クロストレンド、日経クロステック 後援:経済産業省、一般社団法人 日本ディープラーニング協会 日時:2020年10月14日(水)14:00 ~ 16:35 場所:オンライン配信 受講料:無料・事前登録制 詳細:https://jdla.connpass.com/event/188475/ 【登壇】「エンジニアリングシンポジウム」 主催:一般財団法人エンジニアリング協会 後援:経済産業省 日時:2020年10月16日(金) 13:40~15:10 会場:日本教育会館 一ツ橋ホール 登壇: 「AI社会実装~大企業×テックベンチャーの共創による日本のビジネス未来~」 ・松尾豊(JDLA理事長、東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター 技術経営戦略学教授) <パネルディスカッション> モデレータ ・川上 登福(株式会社経営共創基盤 共同経営者 マネージングディレクター) パネリスト ・山崎 文敬(株式会社イクシス 代表取締役) ・島本 佳紀(AnyTech株式会社 取締役) ・浦本 直彦(株式会社三菱ケミカルホールディングス 執行役員 CDO) 参加費:9,900円(消費税込み)(会員限定) 詳細:https://www.enaa.or.jp/seminar/43752 <追加情報>10/17記載 【後援/登壇】GPU2020 主催:GDEPソリューションズ株式会社 後援:一般社団法人 日本ディープラーニング協会 日時:[Day1] 2020年10月22日(木) 15:00-17:20 場所:オンライン開催 参加費:無料(事前登録制) 登壇:座談会「GPUが支えるDX 変革の今、この先を考える - AI & GPU ー」  ・モデレータ 岡田 隆太朗(一般社団法人 日本ディープラーニング協会 事務局長)   詳細:https://www.gdep-sol.co.jp/gpu2020<